自由研究

高校数学で行列というのを習っただろうか。僕はならったけど、当時はさっぱりだった。これが何に便利かというと、ズバリ、コンピュータでの計算である。コンピュータは数字を足したり掛けたりするのは滅法得意だけど、抽象的な概念に弱い。例えば、方程式を解いたり、証明をしたりするのが苦手だ。
コンピュータで天気予報をするにはどうすればよいか。地球を格子で切り分けて、格子ごとに計算をする。例えばここの気圧はどれくらいか、とかそういう情報を格子ごとに調べる。隣同士の格子の気圧の違いを調べれば、気圧の高い方から低い方へ風が吹いていることがわかる。全体を調べれば大気の流れがわかるはずだ。1つの格子の値を、行列の1つのマス目に入力すれば、格子に切り分けた地球の状態を行列で表すことができる。行列同士の差をみたり、行列を掛け合わせたりすると、地球の格子全体をまとめて計算できる。このやり方の問題は、本当の地球は格子で切り分けられていない(あたりまえだけど)ので、どれくらい小さい格子にすれば天気予報が当たるようになるか、ということだ。例えば、地球一周は4万キロなので、その表面積は、4π*(40000 km/2π)^2、約5億平方キロメートルだ。一平方キロメートルごとの格子にしても、5億マス必要だ。5億と言うとおよそ1ギガである。データは一種類だけではないので、パソコンのメモリで足りなさそうだ(計算途中の結果をメモリも必要)。さて、実際はどのくらいの格子で計算しているのでしょうか。