自由研究

トランプをいろんな順番でならべたい。52枚のカードがあるとして、その並べ方は52×51×50×...×2種類ある。数学の世界では、×がいっぱいつづくような書き方が面倒なので、「52!」と省略する。さて、52!は膨大な数だ。70桁ほどの数字だ。1から数えて言ったら、言い終わる頃には宇宙が無くなっていそうだ。少なくとも、村上春樹小説に出てくるスパゲッティはのびのびだ。100億年(ざっと宇宙の年齢)を秒に換算して、ざっと18桁。なにが、ざっと、なのかはわからないが、とにかくざっと言って、52!は秒換算の100億年とは、もう桁違いに桁が違う。
52枚のうちの2枚のカードを取り出して、入れ替える。また、別の2枚のカードを入れ替える。これを何度も繰り返していくと、52!すべてのパターンを網羅することができる。あたりまえのことだけど、素晴らしいアイデアだ。このアイデアの良い点は、一度に行う操作が簡単なこと。52枚のカードを一気に並べ替えるのは、なかなか苦労する。2枚のカードを入れ替えるだけなら簡単だ。でも、その分何度も何度も入れ替え操作が必要になる。このように、大きくて複雑な操作を、小さくて簡単な操作にバラバラにしてしまう、というアイデアは、いろんな場面で使われている。例えばコンピュータの仕組みなんかは、それの繰り返しだ。物理学でも、複雑な問題を簡単な問題の組み合わせに変換するのは、常套手段だ。日常生活にも応用できないかと、日々研究中。切符を買うときに、何も考えずに一番安いものを買い、降りるときに追加料金を払う、というのは、ほんの少し似ているような気がする。ピタパにしてしまえ、とは言わないでください。さて、ピタパとはいったいなんでしょうか?