自由研究

この世の中は丸いもので溢れている。この世、といっても、あの世があるかはかなり疑わしい。なぜ丸や円や球が、そこかしこにあるのか。マンホール。噂では、四角だとナナメにすると穴に落ちるから、丸がいいらしい。それなら、正三角形でもいいじゃないか、という反論も雨後の筍のようにでてくるに違いない。丸なら、タイヤのように転がすことができるので、取り回しがいいとか、三角だと角(角っこともいう)が尖っていて危険とかいう理由もあるかもしれない。
地球は、その名もズバリ球である。そもそも重力が球の形で効くから、重力の法則にしたがうものは、球になってしまいがちだ。河口近くにある石は、だいぶん丸い。これは、上流から流れてくるうちに、少しずつ角が取れるからだそうだ。我ら人間が球を作るときに、この原理を使うこともある。磨き粉を入れた液体の中に、石やら鉄やらを浸ける。それから、液体をうまく混ぜ続ければ、ものと磨き粉がぶつかって、そのうちに球に近づいていく。実際には、ある程度ものを壁かなにかに押しつける必要があるので、重力やら遠心力を応用する必要がある。陶芸家が使っている、ろくろ、という機械も、グルグルまわすことで丸を作っている。