日記

電車がとても空いていた。複雑な計算をコンピュータに効率よく行わせる方法について書かれた文献を電車で読んだ。勉強用の小さなプログラムの例題も付いているので、例題に沿ってプログラムを書いて、わからないところは文献に戻って、それを繰り返しゆっくりゆっくりほふく前進するように理解を進める。このような作業はとても楽しい。文献よりも先に行けば、それが研究と呼ばれる。いまは、研究ではない。誰にも発表することもない。自分のなかの密かな積み重ね。ゆっくりなので、まとまった時間が過ぎて、あるとき振り返ってみてはじめて積めたことに気づく。その瞬間にちょっとした嬉しさがこみあげる。誰とも共有しない嬉しさである。

近所にイタリア関連カフェができたので行ってみた(イタリアラッシュだ)。ガラガラだった。予想の2倍おいしかった。量が足りないかもしれない、そういう場合もあるかもしれないけど、今日のところは腹八分目でちょうどだった。イギリス人ディー氏と、イタリア人の店員さんとの日本語の会話を見ていて面白かった。日本人監視の元、微妙な緊張感が走る会話であった(本人たちはどう思っていたのかは知らないけど)。ディー氏はイギリス音楽、特にロックが好きで、店内で流れたプーワラーという人の曲について話を始めた。誰やねんそれ、とか思って聞いていたが、文字で書いてもらって、それがポールウェラーであることがわかった。イギリス英語は難しいのである。