フランスのビザ

パリ市内に住んでいて、研究所で雇われている場合。
まず、東京で3ヶ月の科学者ビザをもらう(99ユーロ)。フランスについたら研究所経由で滞在許可の申し込み。4ヶ月ほどで仮の滞在許可がもらえる。これは呼び出しがあるので県庁へ取りにいく。ほとんど待つこともないし、英語も通じた。それから3ヶ月くらいしたら、健康診断ののち滞在証明がもらえる。この健康診断の呼び出しが突然だ。研究所経由で呼び出しがあるのだけど、研究所でも少しの間情報が止まっていたので、結局予約日の前の日の呼び出しだった。そのときパリにいなかったので行けなかった。数日後に、健康診断の場所へ行ってみたが、次の呼び出しがあるまで待てとのこと。それがいつかはわからない。ここは恐ろしく感じが悪いし、待合所は健康を害しそうなところだった。健康診断と滞在証明の手続きには300ユーロの収入印紙が必要。タバコ屋で売っているという話だけど、300ユーロもの高額の印紙を持っていないと2軒で断られて、どこかのオフィス(役所?)を紹介され、そこで購入した。いまのところここまで。

いろいろと調べた結果、滞在証明をもらうまではフランスから出国は許されていないことがわかった。仮滞在証明でもダメ。出国したい時はVisa de retourというフランス再入国用のビザを申し込む必要がある。もうすぐアメリカと日本へ出張があるので、なんとかしないといけないのだけど、研究所は何もやってくれない。Cite universitaireには、研究者の相談所のようなところがあるので、ここで相談できる。いまはここの人に、次の健康診断がいつであるかを問い合わせてもらっている。健康診断の役所(OFFI)はほとんど電話が通じないらしい。少しでも前向きに対応してくれるのはここだけだ。解決しないとしても、精神的にとても助かる。

フランスのこういったシステムは、問題があるときの解決法が用意されているものの、フランス語がわからないと、そこまでたどり着くのがほとんど不可能。交渉する必要がある場合もあるし、手続きが途中で止まってしまったり、書類がなくなることもよくあるので、もうどうしようもない。研究者としてこちらにきても、半年は国外に出れないと思っておいた方がいい。なんにせよ、フランス語なしでは来ない方が良い。出会う日本人はたいていフランス語ができる。

その他の問題は、健康保険や運転免許証。これらは滞在証明が出たあとにもらうことができる。それ以前は病院では100%支払い。滞在証明入手に一年近くかかる場合もあるので、一年しか滞在しない、なんていう場合は、お金が返ってこないかもしれない。運転免許証の手続きも、申し込んでからいつ出来上がるかわからないので、一年だと間に合わない可能性が高い。

といった以上のようなことがわかった。知っていたらフランスには来なかった。研究者としてヨーロッパを駆け巡りたい、なんていう場合はフランスでは半年は絶望的。大いなる失敗だった。フランスのよいことはまた今度書こう。

ドイツ(アーヘン)の場合もついでに書いておく。

ドイツはまず観光ビザで入国。それからビザのオフィスに行って書類が揃っていれば、その場で滞在ビザがプリントアウトされてパスポートに貼り付けられおしまい。2007年のときは50ユーロ現金で払った。僕の場合、ビザオフィスで大学の契約書が無いからダメ、と言われ。大学ではビザが無いから契約できないと言われて、とても困った。大学でその辺の人に泣きついて、大学とビザのオフィスの間を取り持ってもらい解決した。ビザをもらうまでに2週間ほどかかったけど、それでおしまい。ドイツの問題点は、ビザをもらうまで大学と契約でき無いので、その間は無給になることだった。