海岸近くになると、波は波でいられなくなる。海底が近くなるからだ。海底が浅いと、波の上下運動のエネルギーの逃げる余地がなくなり、その代わりに波が高くなる。このように運動エネルギーが位置エネルギーに変換される。さらに、波が海岸線に近づけば、波は崩れ、海の藻屑となる(用法おかしい)。そして、位置エネルギーが運動エネルギーとなる。
海岸近くの波のスピードは、運動エネルギーを失った分だけ、浅いところほど遅くなる。つまり、高校地理で習ったとおり、海岸線に対して、斜めに入ってくる波も、海岸線にまっすぐ入ってくるように調整される。湾では、入ってくる海水の量が拡散するので、海岸線1メートルあたりのエネルギーも小さくなる。逆に、岬では、エネルギーが集中する。湾はおだやかで、岬は険しいのはそのためだ。