自由研究

時速80キロで、600キロ先の目的地まで車を運転して行くとする。休憩無しなら7時間半である。経験的に、2回の休憩が必要だ。それぞれ30分休むと8時間半だから、平均時速71キロ。時速にして10キロも落ちてしまう。では、休憩を1時間するぶんスピードを上げて、休憩無しと同じ時間で到着するためには、どれくらいのスピードが必要になるか。少なくとも高速道路でもスピード違反で捕まるリスクがぐっと上がる。もともと余裕があるときに、もう少しがんばる、というのは比較的簡単だ。でも、普通の生活はいつも余裕がない。いつも、バスに乗れるか乗れないか、ギリギリの時間に家をでるし、ギリギリまで朝眠ってしまうので、そういう状況がありふれていることは明白だ(少なくとも僕は)。ギリギリのところから、それをリカバーするのがいかに大変であるか、というのは上に書いたような計算をすれば見積もることができる。
仕事にせよ、研究にせよ、だいたい単調作業の集まりで成り立っている。部分部分をバラバラにして、ポンチ絵(略図)にしてみれば、その骨組みは、工場の流れ作業のようになっているはずだ。そうでない場合はその仕事はなかなか創造的だと思う(もしくは・・・)。作業ステップがたくさんある場合、その合間に休憩が入る。たくさんの人間で分担作業をしている場合は、一部の仕事がうまく流れず、次の作業待ちになる仕事が発生する。工場ではこのようなものを在庫という。結局、在庫と休憩は論理的には同じものである。
できる人、は短い時間集中して働き、颯爽と退社するイメージがあるけど、それで本当にたくさんの仕事の出力をだせるかどうかよく考えてみる必要がある。少し仕事のスピードは遅いけど、一時間多く働く方が、体力的に楽だしたくさんの仕事をできるかもしれない。おしゃべりをしたりインターネットにうつつを抜かす時間を削るなど(これがなかなか難しい)して、余裕を作るために割り振ったら、どれくらい楽になるかは実験してみる価値があるとおもう。