遠心力とは、点を中心として回転している物体を、引き止めておくために必要な力のことだ。例えば、ハンマー投げの選手は、回転しているハンマーが飛んでいかないように、ハンマーの持ち手をがんばって引っ張り続けないといけない。手を離すと、ハンマーは円の接線方向へ飛んでいく。不思議に感じるのは、引っ張っている方向と、飛んでいく方向が違うことだ。
回転している物体は、視点を変えると、中心に向かって落ち続けているようにも見える。人工衛星はまっすぐ進むのと、落ち続けているのがうまくつりあって、ずっと地球の外を飛び続けている。空気抵抗などの、邪魔をするものが無ければ、放っておいても人工衛星は永遠に飛び続けることができる。落ちるときに得るエネルギーを、前向きの加速に使っているともいえる。